営業管理スプレッドシート無料テンプレ|顧客・案件・日報まで

営業管理のスプレッドシート、ちゃんと作ろうと思っても最初の一枚が一番しんどいですよね。

「営業管理をちゃんとやろう」と決意したものの、いざスプレッドシートを開くと何から手をつけていいか分からず、結局そのまま閉じてしまった経験はありませんか。実は私も何度もあります。

実際のところ、営業管理のスプレッドシートで一番大変なのは「最初の一枚目を作ること」なんですよね。どんな項目が必要なのか、どう整理すればいいのか、考えているうちに時間だけが過ぎていってしまう。

今回は、そんな悩みを解消するために、使う前に決めておくべきポイントから、用途別にそのまま真似できるひな形、さらには自社用にカスタマイズするコツまでをまとめてみました。見出しごとにコピペすれば、そのままGoogleスプレッドシートの無料テンプレートとして使える構成になっているので、ぜひ参考にしてみてください。

テンプレートを使う前に決めておきたい3つのこと

いきなりテンプレートを入れ始める前に、ここだけは決めておくと失敗しにくくなります。少し面倒に感じるかもしれませんが、この準備があるかないかで、その後の運用が大きく変わってきます。

何をゴールとして管理したいのか

「営業管理」と一口に言っても、会社やチームによってゴールはまったく違います。新規リードを漏れなくフォローしたいのか、受注率や売上予測を見える化したいのか、それとも営業活動の頑張りを見える化したいのか。目的によって必要な項目も変わってくるんですよね。

まずは、次の一文を自分の言葉で埋めてみることをおすすめします。

「このスプレッドシートは、____を管理するためのひな形だ」

たとえば、「新規問い合わせから受注までの案件ステータスを一元管理するため」とか、「既存顧客の接点履歴とアップセルのタネを管理するため」、あるいは「営業一人ひとりの活動量と成果を見える化するため」といった具合です。

ゴールが明確になると、どのテンプレートを使うべきか、どの列が必要でどの列は不要なのかがブレなくなります。迷ったときも、この一文に立ち返れば判断しやすくなるはずです。

誰がどのくらいの頻度で更新するのか

スプレッドシートによる営業管理でよくある失敗パターンが、「誰も更新しなくなって死んだシート」になってしまうこと。これ、本当によくあるんです。最初の数週間は頑張って入力していたのに、いつの間にか誰も触らなくなって、気づいたら何ヶ月も前のデータで止まっている、なんてことも。

これを避けるために、先にルールを決めておきましょう。まず、入力する人は誰なのか。営業本人が入れるのか、営業アシスタントや事務担当が入れるのか。更新のタイミングも重要です。商談のたびにリアルタイムで入力するのか、一日の終わりにまとめて日報として入力するのか、週一回のミーティング前に更新するのか。

そして意外と見落としがちなのが、チェックする人とタイミングです。上長が毎週案件スプレッドシートをチェックするとか、月次会議でパイプライン表を全員で確認するとか。「誰が」「いつ」「どこを見るか」まで決めておくと、テンプレートが生きた状態で回り続けます。

他のシステムとの役割分担

すでに他のツールを使っている場合は、役割をはっきり分けておくと運用がずっと楽になります。たとえば、メールマガジンやフォームは既存のツール、見積や請求は会計ソフトや基幹システムに任せる。その間の「営業の動き」を見える化するのがスプレッドシート、というイメージです。

スプレッドシートに全部詰め込もうとすると、列が増えすぎて破綻します。画面をスクロールしないと全体が見えないようなシートは、現場で使われなくなる典型例です。「このシートの役割はここまで」と線を引いておくことが大切ですね。

用途別の営業管理テンプレート一覧(無料ひな形4選)

ここからは、用途別に4つの無料テンプレートを紹介していきます。すべてGoogleスプレッドシート前提で、見出しの項目名をそのまま列名にするだけで、すぐに営業管理テンプレートとして使える形にしてあります。

顧客管理テンプレート(基本のひな形)

まずは、もっともベーシックな顧客管理スプレッドシートから。顧客情報と接点の履歴を一元管理するためのテンプレートです。

推奨する列は次の通りです。顧客ID、会社名(個人顧客なら氏名)、部署名、担当者名、役職、メールアドレス、電話番号、住所またはエリア、リード元(紹介、Web、展示会、電話など)、顧客ランク(A、B、C)、ステータス(見込、既存、失注、休眠など)、最終接点日、次回フォロー予定日、メモ(ニーズや注意点、キーパーソン情報など)。

運用のポイントとしては、「最終接点日」と「次回フォロー予定日」は必須項目にしておくことをおすすめします。「リード元」「顧客ランク」「ステータス」はプルダウンで選択式にするとブレにくくなります。また、「顧客ID」をつけておけば、あとから案件表や日報と紐づけできるようになって便利です。

これをそのまま一行目のヘッダーに貼り付ければ、顧客管理テンプレートのひな形が完成します。

案件・商談管理テンプレート(受注率と売上予測用)

顧客管理とは別に、案件単位で管理する表です。案件ごとの金額、確度、ステータスを管理するためのテンプレートになります。

推奨する列は、案件ID、顧客ID(顧客管理テンプレートと紐づけ)、顧客名、案件名(○○システム導入、△△サービス更新など)、担当営業、受注見込金額(税込)、受注確度(10%、30%、50%、80%、100%など)、案件ステータス(新規、提案中、見積提出、最終調整、受注、失注など)、受注見込月、流入チャネル(紹介、Web、電話、イベントなど)、競合状況(なし、A社と競合など)、最終更新日、メモ(要望や懸念事項、決裁フローなど)です。

このテンプレートの活用イメージとしては、「受注見込金額×受注確度」の合計でパイプライン売上予測が出せます。受注見込月ごとにフィルタすれば月次の売上見込み表になりますし、「ステータス」や「チャネル」で集計すれば、どのチャネルが強いかも見えてきます。スプレッドシートのフィルタやピボットテーブルだけでも、かなり使えるはずです。

パイプライン管理テンプレート(フェーズ管理のひな形)

案件表をもう一歩進めて、フェーズごとの詰まりを確認するパイプライン用のひな形です。案件の流れをひと目で把握するためのテンプレートになります。

シンプルな構成で、一案件一行という形です。案件ID、顧客名、案件名、担当営業、フェーズ(リード、アポ取得、初回商談、提案、見積、最終調整、受注など)、受注見込金額、受注確度、次アクション内容、次アクション予定日、リスクや懸念メモといった項目を用意します。

レイアウトのコツとしては、「フェーズ」をプルダウンにしておくこと。フィルタビューで「フェーズ別」に表示すると、カンバン風のパイプライン管理ができるようになります。条件付き書式で、次アクション予定日が過ぎている案件を赤表示にしたり、受注確度80%以上を太字表示にしたりすると、ミーティングで使いやすくなります。

営業日報テンプレート(活動量の見える化ひな形)

日々の営業活動を「サボらず・盛らず」に記録するためのテンプレートです。「日報を書いても誰も見ていない」という状態を避けるための、シンプルかつ集計しやすい日報テンプレートになります。

推奨する列は、日付、営業担当者名、顧客ID(または顧客名)、活動種別(訪問、オンライン商談、電話、メール、提案書作成など)、活動概要(○○の提案、△△のフォローなど)、所要時間、結果(アポ獲得、失注、継続検討、要上長相談など)、次アクション内容、次アクション予定日、上長への共有事項や相談事項です。

集計のイメージとしては、「日付×営業担当者」でピボットを組めば、一週間あたりの訪問回数、電話本数、商談件数などの活動量がすぐ出せます。案件管理テンプレートと組み合わせれば、「活動量が多い人が、きちんと受注にもつながっているか」をチェックできるようになります。

テンプレートを自社用にカスタマイズするコツ

テンプレートは、そのまま使うより「7割真似て3割カスタム」がちょうどいいと思います。完全にゼロから作るのは大変ですが、かといって自社の状況を無視してそのまま使っても、結局使われなくなってしまうんですよね。

列を増やしすぎないこと

スプレッドシート営業管理の最大の失敗は、「列を増やしすぎて、誰も入力しなくなる」ことです。これ、本当によくある失敗パターンなんです。あれも見たい、これも記録したいと欲張ると、入力する側の負担が大きくなりすぎて、結局誰も使わなくなってしまう。

目安としては、顧客管理は15列前後、案件管理も15列前後、日報は10から12列程度がちょうどいいと思います。このくらいを上限と考えて整理していきましょう。「見たいけど入力が大変そうな項目」は思い切って削る勇気も必要です。どうしても残したい場合は、最初は「メモ列」に集約しておいて、回数が増えてきたら項目として独立させるという方法もあります。

最初から完璧を目指さず、「入力されるテンプレート」の方が「完璧だけど誰も使わないテンプレート」より圧倒的に価値があると割り切るのがコツです。

入力方式を統一する

同じ意味なのに、「A」「a」「ア」が混ざったり、「受注」「受注済」「成約」が混在したりすると、集計が一気に面倒になります。これ、実際に運用し始めると本当にストレスなんですよね。

必ず選択式にすべき項目としては、顧客ランク(A、B、Cなど)、ステータス(見込、既存、失注など)、案件フェーズ、活動種別、受注確度などです。Googleスプレッドシートの「データの入力規則(プルダウン)」を使って、値の候補を事前に定義し、それ以外は入力できないようにすることで、テンプレートのルールを強制できます。

日付項目も「yyyy/mm/dd」など形式を統一しておきましょう。細かいことですが、こういった統一が後々の集計作業を圧倒的に楽にしてくれます。

まずは無料テンプレートを叩き台にして、運用しながら育てていく

最後にまとめると、まず「何をゴールとして管理したいか」を決めることから始めましょう。顧客、案件、パイプライン、日報の4つの無料テンプレート(ひな形)から、必要なものだけ選びます。列を増やしすぎず、プルダウンなどで入力ルールを統一する。そして使いながら、現場の声を聞いて少しずつカスタマイズしていく、という流れがおすすめです。

専用ツールをいきなり導入する前に、スプレッドシートの営業管理テンプレートをうまく使いこなせれば、今どこに案件が溜まっているのか、誰がどれだけ動いているのか、来月や再来月の売上見込みはどれくらいかといった営業の全体像を、無料で、しかもすぐに見える化できます。

この記事のテンプレート構成をそのまま一行目に入れて、自社の営業チーム用のスプレッドシートを作ってみてください。そこから先の細かいカスタマイズは、運用しながら一緒に育てていくのが一番うまくいきます。完璧を目指すより、まず始めることの方が大事だと思います。

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